定款とは会社の規約のことで、最初の定款(原始定款)だけは公証人役場で認証の手続をしなければならず、公証人役場で認証を受けることで、定款は初めて法的な効力を持つことになります。なお、会社設立後は認証の手続をすることなく、株主総会の決議で自由に定款を変更することができます。
定款に記載する内容には以下の3つの事項があります。
定款には必ず記載しなければならない事項です。記載を欠いた場合は、その定款自体が無効になるので、必ず定款の中に盛り込まなければなりません。(商号、本店、目的など)
定款に必ず記載しなければならない事項ではありませんが、記載しない場合は、その規定はなかったこととして扱われます。その規定がある場合は必ず定款に盛り込みましょう。(現物出資や株式の譲渡制限など)
定款に記載するかしないかは自由な事項です。会社を設立する上で定款に載せる任意的記載事項は、大体決まっています。(決算期や役員に関する事項など)
定款の訂正に関しては、修正箇所を黒く塗りつぶしたり、修正液や修正ペンなどでの訂正はできません。訂正箇所を二重線で消し、上に正しい文字を記入します。定款の最終ページに社員(発起人)全員で実印を用いて訂正印を押し、「第○条中○字削除○字加入」などと訂正内容を記入します。
また、定款の綴じ方には、ホチキス止めと袋綴じの2種類があり、ホチキス止めの場合は全ページの綴じ目に契印をしなければなりません。袋綴じの場合は背の部分と裏表紙の境目に契印をします。
作成した定款へ実印で押印します。最初の書類への押印になりますので、押印の方法を詳しく解説します。
まず、記名押印をします。記名はすでになされているので、その横に実印を押印します。このとき、印影が文字に重なったり他の印影と重なったりしないように注意します。押印は鮮明に行います。(不鮮明な場合は、公証人役場での認証が拒否されます。)
万一、印影が不鮮明になった場合は定款を印刷し直して押印し直すか不鮮明な印影に重ねて押印し(これによって前の押印が取り消されたことになります)、その横に改めて押印します。
次に、契印をします。契印は書類が2枚以上になったときに1つの書類としてまとめる、という意味があります。定款の各ページのすべての綴り目に、記名押印に使用した印鑑と同じ印鑑で契印します。
最後に捨印ですが、各ページの上部にあらかじめ捨印をしておけば、公証人の指示などで訂正が必要になった場合、「何字削除、何字加入」という文言を捨印の横に書けばその場で訂正することができます。ただし、捨印による訂正はないにこしたことはありません。
定款の認証のためには、公証人役場に発起人全員が出頭するのが原則ですが、発起人全員が出頭できない場合は発起人の1人、または第三者に定款認証手続を委任します。そのためには委任状が必要になります。
定款の作成が終わったら、公証人役場で定款の認証をしてもらうことになります。定款は自由に株主総会で変更することができるのが原則ですが、会社設立時の最初の定款(原始定款)だけは、公証人役場で認証の手続をしなければなりません。なお定款の認証は、どの公証人役場でもいいというわけではなく、設立登記を申請する法務局(登記所)に所属する公証人役場に行くことになります。公証人が不在の場合もありますので、あらかじめ予約を入れてから行くほうがいいでしょう。
公証人役場には、原則としては社員(発起人)全員で行くことになりますが、委任状があれば代理人だけでも定款の認証をすることができます。 定款の認証には以下の書類が必要になります。
<定款認証に必要な書類一覧>
定款は3通必要になります。1通は公証人役場での保管用、1通は会社保存用の原本、1通は設立登記の申請で必要になります。
社員(発起人)全員の個人の印鑑証明を各1通ずつ
金4万円分((1)の公証人保管用の定款に貼付します。)
金5万円(定款の認証時に公証人に支払う手数料です。)
1枚につき250円
定款の認証を代理人に依頼する場合に必要です。なお、委任状には委任する社員(発起人)全員の記名と実印による押印が必要です。
なお、出頭する発起人は実印を持参して下さい。また、発起人でない第三者が代理人として出頭する場合は、身分証明書と印鑑が必要です。身分証明書は運転免許証や印鑑証明書などですが、公証人役場によって取り扱いが異なるので、発起人でない代理人が出頭する場合は、身分証明書としてどのようなものが認められるのか、あらかじめ電話などで確認して下さい。
印鑑証明書を身分証明書とした場合、印鑑は実印が必要ですが、その他の身分証明書の場合は、認印で構いません。定款の認証の手続は、公証人の指示通りに行なってください。定款の認証が終わると、1通は公証人役場に保管され、2通が交付されます。このうち、最後のページに、「これは謄本である」という記載があるものが「定款の謄本」で、あとで登記申請をする際に使用します。もう1通の方は、「定款の原本」として会社に保管します。
*電子公証の制度を利用すると、印紙税4万円が不要となります。