次に、出資者=「株主」を決定します。株主は最低1人でも構いません。株主が決定したら、今後の手続きで必要になりますので、一人につき一通の印鑑証明書を市区町村役場で請求してください。株主が取締役を兼ねる場合には、印鑑証明書が別途必要になります。各株主の出資金額も決めておきます。その出資金額の総額が会社の資本金になります。また、会社が設立されるまでは株主と言わずに「発起人」と言います。会社設立後は株主は株主総会を開催して会社の運営に関する重要な事項を決議することができます。
まず、取締役を選任します。取締役は最低1人以上何人でもおくことができます。取締役は必ずしも株主である必要はありません。従来は、取締役会を設置する義務がありましたが、中小企業においては取締役会が開催される例がなく、「役員会議」などの非公式な会議で会社が運営されていたため、新会社法では取締役会を設置する義務はなくなりました。
なお、取締役会はいつでも株主総会の特別決議で設置できるので、会社の設立当初は取締役会を設置せず、会社の規模が大きくなった時に設置を検討するのがいいでしょう。
取締役が2人以上いる場合、代表取締役を定めます。代表取締役は、取締役の中から取締役の多数決で選びます。取締役が1人の場合はその取締役が代表取締役になります。
従来は、必ず監査役が必要であったため、監査のノウハウがない人に形だけ監査役になってもらうということが行われていましたが、新会社法では監査役は不要になりました。
監査役を設置した場合、監査役は原則として会計と業務の両方が適正かどうかを監査しなければなりません。また監査役は取締役や従業員の中から選任することはできません。
税理士の会社での法的地位を明確にするため「会計参与」として顧問税理士を登記することができるようになりましたが、わざわざ登記をするメリットがないことや、顧問税理士を解任しにくくなるデメリットがあるため、一般の会社では会計参与を決めて登記をする必要はないものと思われます。
なお、新会社法で取締役と監査役の任期を10年とすることができるようになりました。任期が満了したときは、同じ人が引き続き取締役や監査役になる場合でも必ず役員変更の登記をしなければなりません。従来は任期が2~4年と短くて頻繁に役員変更の登記をすることが必要でしたが、10年に一度になり負担が軽くなりました。
外国人の方が株主や役員になる場合でも印鑑証明書が発行される場合には日本人と全く同様に手続をします。印鑑証明書が発行されない場合には大使館などで「サイン証明書」を発行してもらい印鑑証明書の代わりにして手続をします。ただし、住所が日本にない場合は代表取締役(取締役が一人の場合は取締役)になることができません。
定款が認証されたら、代表取締役(取締役が一人の場合は取締役、以下同じ)の個人の口座に、すべての出資者(発起人)が定款に定めた出資金を振り込みます。代表取締役も自分自身の口座にATMなどで現金を振り込むか、他の口座から振込をしなければなりません。
なお、代表取締役が発起人でない場合、代表取締役が定めた発起人の個人の口座から振込口座に振り込みます。振込は定款が認証された後でなければならず、振込が完了したら、通帳の次のページをA4の用紙にコピーしておきます。
<コピーをとるページ>
個人企業の場合、営業年度は1月1日から12月末日までと決められていますが、会社は営業年度を自由に設定できます。会社設立の予定日が4月15日で営業年度は5月1日から翌年4月30日までなどとすると、会社を設立してすぐに決算をしなければならなくなりますので、そのようなことがないように気をつけましょう。なお、営業年度終了後の一定期間内に株主総会を開催して、決算を承認しなければなりません。これを定時株主総会といいます。 会社の決算期に関しては比較的仕事が忙しくない時期を選ぶようにしましょう。
公告方法はホームページと官報の二つから選べ、ホームページに掲載する場合は公告するページのURLを登記しなければならず、あらかじめそのページのURLを決めておかなければなりません。なお、改竄を防ぐために貸借対照表はpdfファイルに変換して公開しなければなりません。ホームページを持たない場合には従来どおり官報に掲載して公告を行うことになります。