■ 株式会社設立基礎知識

会社設立の目的

 事業が軌道に乗り、事業規模が拡大したとき、個人事業者がその後の事業形態を検討するうえで、「法人成り」というものが選択肢としてあります。「法人成り」とはその名のとおり、個人事業を法人事業にすることです。
 では、「法人成り」によってどのようなメリットが得られるのでしょうか。

社会的信用の違い

 会社は商法などの法律の規制の中で設立の手続きがされ、会社の情報は法務局(登記所)に行けば、誰でも自由にその会社の内容を見ることができます。個人と比較して取引の安全性が確保されており、このため、個人より社会的に信用があるとされています。

 なお、各種保険が義務づけられていることで、優秀な人材が集めやすい、厚生年金や社会保険に事業主本人も加入できることなども、個人事業と会社との違いになります。

 その他、個人事業では、事業主が亡くなった場合には、それまでの信用や財産を継承することが難しく、家族が事業を継承したとしても、新たに信用を築いていかなくてはなりませんが、会社の場合は会社自体が死亡することはありませんので、そういった心配をする必要がありません。

責任の違い

 個人事業の場合は、業績が悪化した場合に各債権者は、その個人事業主の全ての財産に対し、債権の回収を実行してくることになります。つまり、事業を失敗した場合、個人事業主はすべての財産を失うことになります(無限責任)。

 しかし、株式会社や合同会社の場合、出資者は自分の出資した金額の範囲でしか責任をとる必要がないので、安心して出資することができ、また出資分に対し配当で応えることができるなど、出資者を募りやすくなっています(有限責任)。

税法上の違い

 個人の場合は累進課税率をとっているために、所得税、住民税を合わせると最高税率は50パーセントにもなりますが、会社の場合には原則30パーセントの均一課税のため、事業税を含めても約41パーセントで済むことになります。したがって利益が高くなるほど会社化したほうが税率面で有利になります。

 また、会社の場合は社長も会社から給料や退職金を受け取ることができることや、給与所得控除も可能になります。自動車を会社名義で購入し、社長個人で使用したり、個人事業に比べて必要経費にできる範囲が広いことなど、節税面でもメリットがあります。

*法人化にすることによって生じるデメリット

  • ・交際費の限度額が設定されている
  • ・法人住民税の均等割り課税
  • ・決算手続の複雑化